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第18回 若年性認知症について考える③

認知症は高齢者がかかる病気だと思っていませんか? 実は働き盛りと言われる40代や50代の方がかかるケースも少なくないのです。このブログでは、毎回テーマを決めて5回シリーズで皆さんのお悩み事例を紹介していますが、今回は認知症の中でも65歳未満の方がかかる若年性認知症に絞ってお伝えしています。3回目の今回は若年性認知症患者様の自宅でのケアの問題点について考えてみましょう。 AdobeStock_264353260

「まさか自分が…」と思う前に相談を

もう一度おさらいしますが、認知症とは、老化による物忘れとは違い、脳の神経細胞の変性や脱落によって起きるもの。生活習慣病などの原因疾患が、引き起こします。もともと高齢者がかかりやすい病気ですが、65歳未満の人がかかった場合を若年性認知症というのです。
れっきとした病気なのですが、自覚症状がないため、「まさか自分が…」と思っている患者様ご本人も少なくないようです。周囲から「頼んだ仕事はどうなっている」「さっきも同じことを質問された」といったことを聞かされ、混乱してしまう方も結構いらっしゃると耳にしています。
まだ症状が軽い頃に、専門医や全国若年性認知症支援センターなどへ相談されるとよいのですが、まだ年齢が若い患者様の場合、ご本人が「自分のことを認知症と認めたくない」という思いが強い傾向にあるため、ある程度病気が進行した段階で相談される場合が多いようです。少しでも兆候を感じたら、まずしかるべき場所に相談することをおすすめします。

自宅ケアには相当な覚悟が必要に

とくに年齢が若くなればなるほど、自分のことを認知症とは認めたくないという話をしました。でもそれは、当然のことだと思います。誰だって「嘘であってほしい」「まさか自分に限って…」などと考えますよね。このブログについて「何回も同じこと書いているよ」と言われたとしても、「そんなはずはない」って素直には認められないのと同じです。
私の話はさておき、若年性認知症の患者様が本格的にケアを始めるとなった時、フロンティアの介護のような施設に入るより、やはり自宅でのケアを希望される方が多いです。
世間には「介護施設=高齢者が入居する」というイメージが強くありますからね。若い方がいざ入居するとなったら、尻込みするのは理解できます。抵抗感があって当然でしょう。
ただ自宅でのケアについては、ご本人様はもちろん、そのご家族様も相当な覚悟を持たなければならないこともまた事実です。
介護施設の入居者を増やしたいから、こんなことを言っているわけでは決してありませんよ。それぞれにかかる負担がかなり大きなものになるから言っているとご理解くださいね。
では、若年性認知症の患者様を自宅でケアする時、なにがそんなに大変なのでしょうか。その理由はいろいろとあるのです。

取り返しのつかない事故が起きる前に

何度も繰り返しているように、認知症とは病気によって脳の神経細胞が変性・脱落することで、記憶力や判断力などが著しく低下します。もし、患者様がお茶を飲みたいと思って湯を沸かした時、その湯を沸かしたという行為自体を忘れてしまったらどうなるでしょうか? 
ずっと火をかけっぱなしにしてしまうというケースも想定されます。空焚きを続けた結果、ガスが漏れたり火事が起きたりするかもしれません。誰かが一緒にいて、ちょっと異変があれば、すぐに対応できますが、認知症患者様ご本人をひとりにしておくことはリスクが高いのです。
このほか、行かなくてもいいのに会社へ行こうとして、家までの帰り方がわからなくなることがあるかもしれません。外出をすれば交通事故に巻き込まれてしまう心配も出てきます。
また、何度も同じことを言ってくることもあるので、ご家族様が過度のストレスを感じてしまうケースも多いようです。家庭環境が崩壊するという最悪の事態だけは、何としても避けなければなりません。
このように、若年性認知症患者様の自宅ケアはかなりのリスクを含んでいるようです。もし自宅ケアのことで悩んでいらっしゃる方がいたら、一度、当社にご相談ください。一緒にいいケアの仕方を考えていきましょう!

介護士 サチ
サチ
介護士/正社員

介護職員として施設で勤務しています。サチはペンネームです。仕事がらケアマネージャー、看護師、理学療法士、管理栄養士などさまざまなその道のスペシャリストと接する機会が多いです。 そのような機会で得た知識や学び、また現場での経験を活かして、知って得する情報やよくあるお悩みに関してコラムを書いています。私の書くコラムが誰かのお悩み解決のヒントになれば幸いです。