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介護のプロがお答え 介護のお悩み解決コラム

みなさまの介護に関するお悩みを介護のプロが解決します

第1回 はじめての介護

介護のことがよく分かる、ブログを始めました。

みなさん、はじめまして。
私は「フロンティアの介護」のとある施設で働いている介護士の「サチ」といいます。
もちろん「サチ」という名前はペンネーム。
うちの施設に入居している入居者様やそのご家族様、それにこのブログを読んでくださった皆様に「幸あれ!」という思いで名前を付けました。

このブログは、介護の現場にいる私だからこそ「発信できることがあるはず!」と思って始めたものです。
介護施設への入居を検討されているご本人様やそのご家族様にとって、少しでも参考になることが書けるように努力していきますので、ぜひ読んでみてくださいね。

「親の認知症が始まったみたいだけど、どうすればいいの?」「親を介護施設に入れたいけど、費用はいくらぐらいかかるのかしら?」…。
介護についてお悩みの方はいらっしゃいませんか? もしお悩みがあったとしても、どこに相談すればいいのか分からないという方も多いかもしれません。そんなあなたのお悩みを、現役介護士の私サチがズバリ解決します!
1回目のテーマは「はじめての介護」。準備のないまま突然始まるケースが多いので、このブログを参考に、しっかり備えておくとよいですよ。

はじめての介護

親の介護は突然やって来るのでご注意を

前置きはこのぐらいにして、早速本題に入りましょう!
初回のテーマは「はじめての介護」です。

皆様は、介護はどのタイミングで始まるかを、知っていますか?
おそらく「そんなこと、考えたこともない」という方が多いのではないでしょうか。
病気知らずで「年を重ねてもいたって健康」という方なら、まさか自分が介護されることになるなんて少しも思っていないでしょう。
ご家族様も「うちの親なら大丈夫」と根拠のない自信をお持ちなのではないでしょうか?
事実、私たちの施設の入居者様のケースを見ても、「そう遠くない将来に介護施設のお世話になる」と考え、あらかじめ準備をしていたという方は、ほとんどいないのが現実。

ご本人様もご家族様も含め、突然介護が必要になり、大慌てで施設を探すというケースがとても多いのです。

退院後、慌てて入居できる施設を探すことに

実際に介護が始まるきっかけは、大きく2つのパターンに分けられます。

ひとつは、徐々に認知症などが進行し、気が付いたら身の回りの世話ができずに誰かが面倒を見なければならないというケース。
もうひとつは、脳卒中や脳梗塞といった重い病気で入院し、退院後の面倒を見なければならなくなるというケースです。

私の経験で言うと、割合はだいたい半々ぐらいでしょうか。
とくに病気で倒れた場合、ご本人様はもちろんお気の毒なのですが、それ以上にご家族様が振り回されてしまって、精神的にも肉体的にも辛そうにしているのをよく見かけます。

なぜ、そんなことになってしまうのでしょうか?
それは昨今の病院事情が大きく影響しているのです。
例えば、親が脳梗塞で入院したとして、その間は病院で面倒を見てもらえるので問題はありません。
むしろ問題になるのは退院後のこと。
「自分で自分の身の回りのことができない」という患者でも、ある一定の期間が経つと退院しなければなりません。
自宅で暮らしていくには誰かの助けがないと困ってしまうという現実が、いきなり突きつけられることになるのです。

ご家族様が同居している場合なら、「とりあえず自分たちで面倒を見るか」となんとか対応することができますが、離れた場所に暮らしている場合は、そんなことを言っていられません。
退院したらすぐに預ける先を見つけなければならないのです。

今日見つからないと困ってしまう…切実な家族の声

「今日にでも入居したいのですが、お部屋は空いていませんか?」
そんな切羽詰まった問い合わせを、私も何度か受けたことがあります。
「どうしてそんなに慌てる必要があるの? 前もって調べておけば済む話じゃない」と思う方も多いと思いますが、とくに遠距離の場合はなかなかそのようには行かないのです。

ひとつ考えられるのは、急な入院だということ。
とにかく親の容態が心配で、退院後の生活にまでは、なかなか頭が回らないようです。
もうひとつ考えられるのが、仕事の休みが取りにくいということ。

最近は「働き方改革」という言葉をよく耳にしますが、まだまだ有休をまとめて取りにくい状況にあるようです。
「仕事に穴を空けられないので、土日休みのうちに決めてしまわないと困るんです。」
こんな必死な思いで施設を探しているという方もいました。

慌てて仕事を辞めてしまってはダメ

時間がない中で入居する施設が見つかった方は運が良かった方。
そんな早くに見つかれば誰も苦労はしませんよね。
それより大変なのが、辞める必要もないのに会社を辞めてしまって、後になって後悔しているという方。
私は何人も見てきました。

こういう方ほど「あなたのせいで仕事を辞めさせられた」と親に辛く当たるようになりがちです。
そういった感情が積もり積もると、親を虐待してしまうという不幸な出来事につながりかねません。
こんな極端な話まではいかないものの、親の介護を機に親と子の関係、また子同士の関係など、家族関係が悪化してしまうケースはよく耳にします。

備えあれば憂いなし!

では、そうしたことが起きないために、私たちは何をしなければならないのでしょうか?
現実を直視し、そう遠くない将来に備えておくことが最も大切です。

「人間、年を重ねれば誰もが衰えるもの」
「遅かれ早かれ、誰もが介護される側になる」
「介護は突然やってくる」
こういったことを頭に入れておいて、万が一の時を迎えた時の対処法を考えておくことが大切。
「こうなった場合はこうする」ということを、何かことが起きる前に家族で話し合っておくのがベストです。

どんな施設があるのか分からないという方は、役所や地域包括センターといった専門機関に相談してもよいでしょう。もちろん私たちのような施設に直接相談するのもありですよ。
「備えあれば憂いなし」とはよく言ったもの。
いざという時のために、このブログを読んでしっかり備えておいてくださいね。

介護士 サチ
サチ
介護士/正社員

介護職員として施設で勤務しています。サチはペンネームです。仕事がらケアマネージャー、看護師、理学療法士、管理栄養士などさまざまなその道のスペシャリストと接する機会が多いです。 そのような機会で得た知識や学び、また現場での経験を活かして、知って得する情報やよくあるお悩みに関してコラムを書いています。私の書くコラムが誰かのお悩み解決のヒントになれば幸いです。